短編Cプログラム(78分/8作品)

Nature

たゆたう水の流れ、さわやかな深緑、暖かな春…。自然と共生する人々の物語。


「The Water 〜 船頭多くして 〜」
 사공이 많으니까/The Water
 2011/6:28/ファンボ・クムビョルほか
 2D Computer, 3D Computer, Cut-puts, Painting on Glass

「水」は様々な物語を生み出し、流れていく。20人の作家が「水」を共通テーマに17作品を製作し、リレー形式で上映する。

Director's note
「水」は常に私たちの周りにある。人間の体も、私たちが生きる地球も、ほとんどが水からできている。そして水はとどまることなく流れていく。このような水の循環を、水の大切さや有り難さを忘れ、発展という名のもとに壊してしまうならば、私たちに残された未来は想像しただけで恐ろしい。まるで水のない、空っぽのプールの中に立っているようなものだ。

★インディ・アニフェスト2011リレーアニメーションプロジェクト

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第2回リレーアニメーション「The Water 〜 船頭多くして 〜」
ファンボ・クムビョル「The note」インタビューbyキム・ヨングン「city」


「キラキラ」
 반짝반짝/Twinkling
 2010/7:17/オ・ジウォン、チャン・ナリ
 2D Computer


水没していく車。運転席には一人悲しみに浸る男がいた。彼が水中で見たものは…。

Director's note
一人の男を苦しめる、別れた彼女との記憶を表現したいと思いました。

☆Madimation国際アニメーションフェスティバル2012(スペイン)


「幽霊の記憶」
 귀신의 나쁜 기억/Bad Memories of the Ghost
 2010/7:20/チョン・ジュア
 Paper, Cut-outs


偶然、幽霊と知り合った「私」は、人間が幽霊に対して持つ否定的なイメージについてのインタビューに協力する。

Director's note
韓国社会において我々は、幽霊という未知の存在に対し、深く根ざした偏見と恐怖の感情を抱いている。本当に幽霊が存在するならば、元は彼らと同族であった人間が持つ拒絶感は、反論する表現手段すら持たない彼らにとってどれほど暴力的であろうか。「幽霊」の話を通じ、実際に我々の社会で疎外されている、弱者に対する暴力的な偏見を批判したいと思った。我々は自分が抱える問題に直接向き合って解決するよりも、充分な発言権のない弱者に問題を転嫁させ、暴力を行使することで問題を忘れ去ろうとする、安易で卑劣な方法を選択してはいないだろうか。

☆第13回(2011)プチョン国際学生アニメーション・フェスティバル(PISAF) コンペティション部門


「Alone」
 얼론/Alone
 2010/12:09/イ・ヨンソン
 2D Computer

人は一人では何もできない。存在意義もない。人は一人で生まれるが、もう一人必要になる。男は女に接近するが、彼女のことを何も理解できない。

Director's note
個人の視線の違いによって起こる、理解不足についての一考察。

☆Madimation国際アニメーションフェスティバル2012(スペイン)


「6月の山」
 6월의 산/Mountain of June
 2010/7:26/キム・ドヨン
 Drawing

新緑の季節。父親と子どもが山をゆっくりと登っている。美しい緑の木々。自然が彼らに与えてくれる心地良い午後。

Director's note
幼い頃、家族と一緒に登った山を舞台にして、当時の記憶と感覚を基にストーリーを構成した。見る人全てに初夏の山の清々しさが伝わるよう心がけて製作した。私の中に残る美しい記憶を編集し、記録しておきたいという気持ちもあった。

★インディ・アニフェスト2011学生部門優秀賞

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インディ・アニフェスト2011受賞作審査評


「春だから」
 봄이니까/It's Spring
 2010/13:40/パク・センギ
 2D Computer

人間と一緒に生活し、自分も家族の一員だと思って生きてきた二匹の猫。ある日、自分たちが拾われてきた猫だと分かり、「家族」の間に波紋が広がる。

Director's note
血の繋がりはなくとも、互いの関係性において新しい「家族」の概念が存在し得る。多様化する価値観の中で、21世紀の韓国社会における「家族」の意味を見出したい。


「淑女たちの一夜」
 숙녀들의 하룻밤/One Night with Ladies
 2011/18:38/ハン・ビョンア
 Paper, 2D Computer, 3D Computer

36歳の既婚女性の家に、世代の異なる若い頃の「自分」5人が集まる。夜を徹して「自分」について語り合う「私」たち。

Director's note
成長過程の自分自身と出会えたら、どのような気持ちになるだろうか? そして、どんな話ができるだろうか。

★インディ・アニフェスト2011オープニング作品
☆第16回ソウル国際漫画アニメーション・フェスティバル(SICAF2012)公式コンペ短編一般部門

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「Natural Urban Nature」
 내츄럴 어반 네이쳐/Natural Urban Nature
 2011/4:32/カン・ミンジ
 Object

「自然な都市の中の自然」がテーマ。変わることのない自然と、それを手入れしようとする人間。無数の花びらや木の葉がダンスを踊るように所狭しと動き回る。

Director's note
徹底的に計画化された都市の中で生きる私たちが感じる「自然」とは、一体何だろうか? 日々管理され、手入れされる山や樹木、川、花など。私たちが都市の中で感じる「自然」は、人間の手によって作り上げられた「不自然な」自然なのかもしれないという考えが浮かび、これを映像で表現しようと試みた。長方形のフレームの中で、自由に伸びようとする自然と、これを押さえ付けようとする現代都市の姿を対比させ、表現しようとした。

★インディ・アニフェスト2011オープニング作品
☆第29回(2012)国際環境映画祭(フランス)コンペティション部門・招待部門
☆第16回ソウル国際漫画アニメーション・フェスティバル(SICAF2012)公式コンペ短編一般部門

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