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花コリ2020大阪会場KIAFAチェ・ユジン氏前説ミニトーク録

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大阪会場では、上映前にPLANET+1の富岡さんとKIAFA事務局長のチェ・ユジン氏がプログラムの前説をします。

今年はチェ・ユジン氏も会場に来られなかったので、10月11日(日)のアジア短編プログラム上映の前にユジン氏の自宅と大阪会場をつないで、リモートで前説を行いました。

チェ・ユジン氏は 2020年11月20日(金)~23日(月・祝) に開催される第7回新千歳空港国際アニメーション映画祭で長編・学生コンペティション部門の国際審査委員を務めます。
また、新千歳空港国際アニメーション映画祭では、チェ・ユジン氏と新千歳のフェスティバル・ディレクター土居伸彰氏とのトークセッションもあります!




<インディ・アニフェスト2020の今年の傾向>


富岡:今年、花コリで上映されるのは2019年のインディ・アニフェストのベストセレクションということで、今年の映画祭の結果も出ているということで、今年2020年の作品の傾向を教えてください。


ユジン:傾向といっても、毎年変わるわけではないとは思いますが…。
インディ・アニフェストにはコンペティション部門の中に一般部門と学生部門、アジア部門の3つの部門があります。
一般コンペ部門の作品を例年では3プログラムあったのですが、良い作品が多かったので4プログラムで上映しました。一般コンペの出品作家に40代の女性が多かったです。作品も家族についての話が多かったように思います。
考えてみると、彼女らが20代、30代の頃の作品は、家族の話をするとしたら両親との葛藤のような内容が多かったのですが、作家が40代後半になり、両親を理解しているようなお互いの感情が分かる作品になったのだと思います。


富岡:40代の韓国の女性が、それまでの時代とは違って、自信を持つというか解放するというか、外にさらけ出すことが許される空気になってきたということですか?


ユジン:答えが難しいですが、90年代後半から2000年代前半に活動していた女性の作家さんたちが、今でも自分の作品を作り続けていることと、結婚して子供を産み、育児をしてて長年、作品を作れなかったのですが、子供が成長し、制作に戻って来た時に、自分の話をしようとしたら、自分も親の気持ちが分かるようになったという感じで、それが作品に表れたのではないかと思います。


富岡:学生と一般とに分けていますが、一般といってもアニメーションを学生の時に作ってた人が中心ということですよね。仕事としてアニメーションの仕事についている合間に、個人の作品を作る場合も多いわけですが、一般の色分けは、今おっしゃったみたいに一時やめてて子供ができて成長して、もう一回制作に戻るという人が増えたということですか?


ユジン:それもあるし、韓国の場合は短編の制作支援の制度があるので、それで他の仕事をしないで、ずっと作品を制作し続けている人もいるし、仕事はフリーランスとして仕事をしていて、その中で自分の作品を作ったり、制作支援をもらって制作している人が、増えている気がします。


富岡:それはインディ・アニフェストの成果であると思いますが、最終的に国が支援金を出すということは、商業的な成果というのは、ここ15年で出て来たという風に考えますか?


ユジン:短編で商業的な結果を出すのは、難しいと思います。商業的とは言えませんが、国内外の映画祭で韓国の作品が上映されたり、評価されたりするのは、一つの成果だと思いますし、短編を制作したことによって、商業の仕事をもらってそれで成功したりする場合も多くなったし、短編を作り続けて、作品が5本以上になった作家も増えており、クオリティーも高くなっています。


<アジア短編プログラムについて>

ユジン:2016年からこのプログラムを始めて、600本ぐらい応募があり、その中から選んだものが現地の映画祭で上映され、またその中から花コリのために厳選された作品が上映されます。アジアそれぞれの国の文化や背景が見られるのが特徴です。

現地の映画祭でアジア部門の大賞を受賞したのは『ぼくがオオカミ?』という、アジア短編プログラムで一番最初に上映されるイランの作品です。この作品は、今年、広島国際アニメーションフェスティバルでもヒロシマ賞を受賞しています。また最後に上映される『一毛所有』はアジア審査委員特別賞を受賞しており、香港の歴史を背景に制作されています。この監督は去年(2019)インディ・アニフェストに参加しました。『性格変更スクール』は日本の作品で、観客賞を受賞した作品です。

『ぼくがオオカミ?』
アミル・オウサン・モエイン /2018 / 08:15 / イラン

『一毛所有』
陳冠聰、鄭思藴、王子妍/ 2019 / 05:51 / 香港

『性格変更スクール』
関口和希 / 2018 / 08:35 / 日本

<トレーラーについて>


ユジン:花コリ2020の冒頭で流れるトレーラーは前年の映画祭トレーラーで『わき毛少女、キム・ブンオ』のチョン・ダヒ(정다히)監督が制作したものです。ちなみに来年の花コリのトレーラーは今年のインディ・アニフェストのトレーラーとなり、2019年に大賞を受賞した『動きの事典』の別のチョン・ダヒ(정다희)監督が制作しています。ハングル表記だと「희 / 히 / ヒ」が違うのですが、韓国語でも発音は同じなので区別できません(笑)。

2018年に大賞を受賞した『わき毛少女、キム・ブンオ』のチョン・ダヒ監督が制作したもの


2019年に大賞を受賞した『動きの事典』のチョン・ダヒ監督が制作




富岡:ぜひ来年は、会場に来ていただいて。リモートの方が話しやすいかもしれない?

ユジン:話しやすいかもしれないけど、終わった後、居酒屋に行けない(笑)。

富岡:お互いに顔をみて話せるのがいいですね。

ユジン:映画祭でも直接会って話をした方が、映画祭の楽しさをもっと感じられると思います。

富岡:新しい人に会えるのがいいね。


アン・ジェフン監督画

チェ・ユジン(インディ・アニフェスト・フェスティバルディレクター)

2006年より韓国インディペンデント・アニメーション協会(KIAFA)事務局長、2017年より花コリ親元「インディ・アニフェスト」のフェスティバルディレクターを務める。韓国インディーズ・アニメーションの配給、上映、映画祭、政府への政策提言、日本での講演など、幅広く活動している。

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