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花コリ2020名古屋会場トーク録 「大学生が見て、訳して、感じたアニメーション」

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名古屋会場では、2018年から愛知淑徳大学 交流文化学部で韓国語を学ぶ皆さんにゲスト作品の字幕翻訳を依頼してきました。今回は正規プログラム韓国短編2「With you」の翻訳を担当された皆さんに、字幕や作品の内容・背景について語っていただきました。司会は韓国映画やドラマの字幕を手がけるプロの翻訳家、三重野聖愛さんです。

10月24日(土)18:00の韓国短編2「With you」上映終了後
ゲスト:綾村凪紗 、舩戸麻友子、西遥夏  (愛知淑徳大学字幕制作チーム)
聞き手:三重野聖愛(映像翻訳者・会議通訳者、愛知淑徳大学非常勤講師)


西村:司会の三重野聖愛さんは愛知淑徳大学で映像翻訳の講義を担当されていて、今回、学生の皆さんの字幕翻訳の監修をしていただいております。三重野さんご自身はプロの字幕翻訳家・通訳で、韓国映画やドラマも多数手掛けてらっしゃいますので、映画やドラマに関心の深い方は、一度は三重野さんのお世話になっているのではないかと思います。

淑徳大学と花コリの付き合いは今年で3年目になります。最初は2018年にカン・ヒジンさんという女性監督を招待して、彼女の過去作品『お婆の海』『お守りの意味』という短編を翻訳していただきました。その際に舩戸麻友子さんと西遥夏さんにご参加いただき、今回は韓国短編プログラム2で上映された『光』という作品を翻訳していただきました。綾村凪紗さんは同プログラムの『アナザー』という作品を翻訳していただいております。綾村さんは昨年の花コリでボランティアとしてご参加いただき、『フェルーザの夢とともに』のキム・ヨングン、キム・イェヨン監督『ラブ・スパーク』のキム・ミョンジュ監督の舞台挨拶の際に通訳としてご登壇いただきました。


三重野:愛知淑徳大学の三重野です。『光』を担当した舩戸さんと西さんは既に卒業しています。作品の翻訳自体は昨年の年末に行いまして、コロナの関係で上映が延期になったのでかなり時間が空いてしまったのですが、卒業してもなお、このように参加してくれている、とても頼もしい卒業生の2人です。綾村さんは3年生で、愛知淑徳大学で主に中国語を学びながら韓国語にも意欲的に取り組んでいるという、とてもやる気のある学生です。
本学では映像翻訳の授業を行っていて、交流文化学部で韓国語をみっちり学んでいる学生と、全学部を対象にビジネスなどを専攻しながら韓国語を勉強している学生がいます。韓国語を専攻していなくても、ある程度、韓国語の水準がある学生であれば、翻訳の授業が取れるというシステムになっています。翻訳の他にも会話や読解やプレゼンテーションなどさまざまな韓国語の授業があります
花コリや、先月(2020年9月)名古屋市内であったあいち国際女性映画祭にも学生たちが翻訳で参加しており、授業で翻訳を習った学生の中から、有志が集まって上映作品の翻訳に取り組んでいます。

作品をご覧になってお分かりの通り、才能のある監督さんたちの渾身の作品に字幕をつけさせていただくという大変責任の重い作業を、まだ勉強中の学生に任せていただけるということで、非常にいい経験をさせていただきました。毎年この花コリで活動させていただくことに、私どもも感謝しながら取り組んでおります。

作品を翻訳するとなると、韓国語を理解するのはもちろんですが、言っていることを全部直訳で書いてしまうと画面中、文字だらけになってしまい、読み切る前に字幕が消えてしまうんですね。台詞が早口かゆっくりしゃべっているかにもよりますが、5割から6割程度の情報量しか字幕には書けません。なので、韓国語を理解するだけではなく、それを短く要約する、別の言葉に置き換える日本語力が求められます。それをここにいる3人と、あと9名が今回取り組んだのですが、悩みながら字幕を書いてもらいました。

それでは、実際やってみてどうだったかという感想をお聞きしたいと思います。

舩戸:今回、『光』という作品を翻訳させていただきました。今回で字幕翻訳は2回目になるんですが、字幕翻訳を目指したきっかけが、もともと韓国語を学びたくて愛知淑徳大学に入学したのですが、より実力をつけたいと思い、参加しました。授業を受けている中で、素晴らしい作品に字幕をつけるという体験を大学生生活で経験できるということは、素晴らしい経験だと思いますし、自分の人生の中で忘れられない思い出になると思います。

『光』という作品で今回私が担当した部分は、LGBTを題材にしたものだったので、自分自身もあまり知識がなく、現代の社会ではとても重要な課題ということで、韓国語ももちろん難しいのですが、その中でどうやって字幕をつけたら見てくださる方々に、監督の思いが伝わるかというのをすごく考えながら字幕をつけさせていただきました。自分で訳したのを先生方に見ていただきながら、できたものが今回の字幕になります。

『光/빛/The Shadow』
(キム・ヘジン / 2018 / 12:02 / 2D)
高校の卒業式。当時はクラスメートと証明写真を交換することが流行していた。気まずい仲になってしまったヒジュ、ジス、ドヒョンの3人も、互いに写真を交換する。大人になったいま、写真を見ながら、それぞれが輝いていた瞬間を思い出す。

西:私も『光』という作品を担当しました。字幕を制作するのは韓国語を勉強していく中で自分が受けてきた授業を生かせるいいチャンスだなと思い、参加することにしました。

あいち国際女性映画祭も参加したので、この作品は3作目になるのですが、『光』は3名の主人公がインタビュー形式で話しているので、途中で話が途切れたり、会話が重なったりしていて、訳すのがかなり大変だったのですが、三重野先生のお力を借りたり、他の人と話しながら完成することができました。これは短編だったのですが、内容も難しく、自分の韓国語の経験を活かすにはいい経験になったと思いました。


綾村:愛知淑徳大学交流文化学部3年の綾村凪紗です。大学では中国語を専攻しているのですが、中学時代に習っていた韓国語の経験と大学で学んでいる映像翻訳の経験を活かし、今回の翻訳作業に参加させていただきました。私が担当した作品は『アナザー』です。まず映像をみて、率直に思ったのが、台詞が少ないなという感想でした。どこを翻訳するんだろうという感じではあったんですが、作者の意図としては、言葉で何かを伝えるというよりかは、映像を通して皆さんに何かを伝えたいものがあるんだろうなと感じたので、自分の翻訳する字幕が、その作品に違和感のないように、どれだけ馴染めるかというのを考え、責任を持って字幕翻訳に携わらせていただきました。

作品をみた感想は、誰にでも困難であったり悩みであったり、壁にぶつかるとは思うんですが、その時、相談できたり、自分の言葉、自分の気持ちに共感してくれる人が1人でもいたらいいのかなと思いました。人と他人を比べて、自分の幸福度を計るのではなくて、自分の中で満足度や幸福度を決めて、その上がり下がりで過去現在未来、と比較することができたら、自分の人生がもっと豊かになるのではないかなと思いました。

『アナザー/Another』
( パク・ヨン / 2019 / 08:00 / 2D)
ある時、少年の前に幽霊が現れる。少年と幽霊はもともと双子だったが、片方は生まれることなく幽霊となった。幽霊は生きている兄弟をうらやみ、彼の肉体を奪おうとする。

三重野:綾村さんは昨年の花コリでもボランティアスタッフとして参加していますが、会場での裏方と翻訳を両方経験して、いかがでしたか?また、中国語を学びながらということで、普段、韓国語との両立が大変だったんじゃないかと思うのですが、そのあたりもお聞かせください。


綾村:昨年、私はカメラ担当として花コリのボランティアをしました。本当は本学から通訳のボランティアを募集しているとのことで参加したのですが、意図していた担当ではなかったのですが、その際に本学の学生が『フェルーザの夢とともに』という作品を訳したと知って、自分も翻訳に興味があったので、ぜひ来年は参加したいなという思いで、今回参加させていただきました。

中国語と韓国語の2か国語を学んでいるので、会話中に中国語が出てきたり、韓国語が出てきたり、よく混ざってしまうことがあります。


三重野:それくらい習得されているということですね。

普段の授業風景や、あいち国際女性映画祭の時の写真資料を見せていただきました。

三重野:カン・ヒジン監督が、「授業で私の作品を使っていいよ」と許可してくださったので、教材として使用させていただいております。

私のように映像翻訳を生業とする者が普段仕事で使っている字幕制作ソフトを大学のパソコンルームに導入しています。学生はプロと同じ仕事環境で字幕制作をしています。

あいち国際女性映画祭での字幕翻訳は長編映画だったので、100分くらいの作品を30名ほどで分担して翻訳しました。

舩戸さんは在学中、2018年と2020年の花コリで翻訳に参加して、2018年のあいち国際女性映画祭には翻訳ではなく、監督の舞台挨拶の通訳として参加しました。その時の監督もLGBTを題材とした作品を撮られまして、今回またLGBTの作品を翻訳することになったのですが、それについてお話しください。


舩戸:あいち国際女性映画祭の通訳の依頼を受けた時に、LGBTについては知識がゼロからだったので、どういう話をされるのかというのはもちろん不安でしたし、初めての通訳というお仕事だったので、語学力も不安で、とても緊張しました。LGBTについてネットで調べたり、監督の作品をみて、内容を把握した上で進めました。舞台挨拶の前に監督とお会いする時間を少しいただけたので、その時に監督とお話しして、当日通訳をしました。


三重野:その時、通訳した経験を、今回LGBTの作品の翻訳にどう活かしていったのですか?


舩戸:通訳の時に得た知識もそうですし、通訳の時もそうですが、監督が話されたことを直訳で全て伝えても観客の皆さんに伝わらないので、その時に自分の中で要約して、お話するというのを常に考えて通訳していたので、その時の知識と要約のノウハウが作品の翻訳に活かせたのではないかと思います。


三重野:今、ご覧いただいたプログラムの中でも『光』の翻訳は一番難易度が高いものでした。韓国語だけを聞いていると、こういう意味にもとれるんだけれど、こっちの意味かもしれないという曖昧な会話が頻発するんです。直訳できるのであれば、そのまま訳せばいいのですが、字幕にしようと思うと、「この人はこう言いたいんだ」とズバッと捉えて言い換えなければいけません。舩戸さんと西さんは非常に高度な翻訳に挑戦したんです。

卒業生なので、休みの日に合間を縫って参加してくれたわけですよね。ひとりで翻訳作業に向き合っていたと思うのですが、実際の作業についてお聞かせください。


西:いただいた映像を一通りみて、内容を把握することから始まるのですが、長編だと全部見るのに2時間ほどかかるのですが、その後、先生が割り振ってくれた自分の担当部分をもう一度みて、まずは直訳で訳していって、そこで意味が合えばいいんですが、合わない場合も多々あるので、それを自分の中で噛み砕いていって、日本語ではこういう意味だというのをしっかり理解しながら翻訳していき、それから三重野先生が推敲してくださったものを自分で直していくという流れです。三重野先生が推敲してくださって初めて分かる意味や表現もあったりして、そこもかなり勉強になりました。


三重野:毎回、やる気のある学生が集まってボランティアで参加してくれます。それぞれの学生がどの作品を担当したいか、ある程度要望を受け付けているのですが、『光』に関しては初心者では無理だと判断し、私の方から経験者を5名、先鋭部隊として指名してお願いしました。そのうちの2名が西さんと舩戸さんです。期待した通り立派にやり遂げてくれて、今日、上映して皆さんに見ていただけて、大変嬉しく思います。

<質疑応答>

質問者1:映画やドラマで翻訳する際に、日本語では一人称の言い方がたくさんあるので、それがすごく大変そうだと思っているのですが、それについてお聞かせください。


綾村:一人称を決める時は、映像のキャラクターに合った一人称をつけるようにしています。男性では「おれ」「ぼく」「おら」「わたし」等、あると思うんですが、キャラクターが話している言葉遣いに合ったものをつけるように心がけています。

三重野:西さん、LGBTの作品で一人称を迷っていましたよね。


西:男性が女性に変わるという主人公の一人称を和訳する部分があったのですが、男の子がしゃべるので最初は「ぼく」にしていたんですが、それを推敲の時に三重野先生に女性のキャラクターに変わったということを教えていただき、「わたし」に変えたことがあります。


舩戸:私もLGBTの部分を訳したので、その部分を悩んだのですが、女性の立場でインタビューを受けているのか、それとも今の自分の男性の時の気持ちで話しているのか、というところで一人称を決めていって、あとはパート分けで作業をしていたので、あとに続く人とつながらなければいけないので、それに気を付けて訳していました。


三重野:普段の授業でも1本の映画をパートで区切って分担して翻訳し、皆で完成させるという流れでやっています。いろんな意見が出るので、「ぼく」だと思うという人もいれば、「おれ」だと思うという人もいて…。だいたい女性は「わたし」で決まるんですが、男性の一人称に関しては、皆がどんな風に出してくるのかというのを一回見た上で、相談して決めるようにしています。


質問者2:作品のタイトルも字幕翻訳者が担当されるのでしょうか?『光』というタイトルが、英語のタイトルが『The Shadow』というタイトルだったので、それを『光』としたことに、訳した方のセンスを感じたので、その経緯を伺いたいと思ったのですが。


三重野:邦題については、作品名が興行収入に直結するものなので、翻訳者には権限がありません。配給会社が決めます。その時のトレンドとかもありますので。

『光』については韓国語の原題が『光/빛』です。


西村:花コリのタイトルについては主催者が決めます。劇場公開の場合は配給会社が決めています。『光』の英語題名『The Shadow』については、韓国の映画祭で上映された時も、韓国人の観客から、同じような質問が出て、監督によりますと、作品のテイストとして光と影の両面性があるので、韓国語のオリジナルタイトルは『光』にして、英語のタイトルは『The Shadow』にしたそうです。おそらく、この2つのタイトルで観客に何かを感じ取ってもらいたいと思ったんじゃないでしょうか。韓国語と英語のタイトルで余韻を残すというのは珍しい手法ですね。花コリ大阪会場でも全く同じ疑問を持つ観客がいらっしゃいました。日本中でこのタイトルが気になっている方がいるというのは、皆さん、監督の術中にハマっているんじゃないかと思います。


現地の映画祭トークでも同じように『光』の英語タイトルについて観客から質問されました。その際のQ&Aをご紹介します。

Q. 韓国語のタイトルは『光』ですが、英語のタイトルは『The Shadow』です。このように設定した意図は?

A.『光』は、抽象的な存在ですが、光があれば影もあると思っています。たとえばヒジュは明るく弾けて見えますが、愛情が欠乏していることもあり、ジスは消極的で受け身だけのようだが、タバコを吸うという逸脱した一面もあります。このように、各キャラクターが持つ二面性を強調したかったのです。





質問者2:作品の中で歌が登場するものもあると思うのですが、そういう歌詞を訳す時と台詞を訳す時の違いや苦労といったことについて伺えたらと思います。


舩戸:歌詞については、自分の好きな韓国の歌手の曲が韓国語で発売されたのを日本語で発売されたのがあり、それを聞いて、歌詞にする際にこういう風に訳すんだと参考にしながら、見た方が字幕という文字で感じ取るのではなくて、歌と合って流れるように、分かるように訳すよう心がけています。字幕も流れが大事ですが、歌とはまた違う流れを大事にしたいと思います。


西:字幕を訳すより、歌詞はもっと短い、フレーズで訳すことが多いのかなと思います。なので、もっと日本語の要約力が必要になるのかなという感じがします。


三重野:歌詞もどんな曲かによりますね。曲調やテンポにもよりますし、女性が歌っているのか、男性が歌っているのかとか、遊びが入った曲なのか、切ない曲なのかによって訳し方が全く変わってきます。やはり、リズムや曲を楽しむことがメインなので、原曲の雰囲気を大切にしながら、訳すのを心掛けるべきです。愛知淑徳大学では会話や読解、文法など、さまざまな韓国語の授業を行っていますので、翻訳の授業以外でも歌詞を学ぶ機会は何度かあります。私の授業でも、自分の好きな曲を一曲選んで訳してもらっていますが、難しいラップを選んでくるチャレンジャーな学生もいて、そんな学生は応援したくなりますね。


質問者3:長編について分担して作業をされているとのことですが、他の担当部分の方々とのすり合わせの苦労があると思うんですが、それに対しての指標について、またディスカッションについて伺いたいです。


三重野:今回ですと『アナザー』は台詞が4つか5つしかないので、綾村さんが一人で担当していますが、『光』は割と台詞が多いので、映像を5つのパートに分けて5人で担当してもらいました。最初は学生にお任せで、一回訳してもらいます。それぞれ考えがあるので、最初から「この方式で行きましょう」とは一切言わずに出してもらいました。全員の翻訳が出揃ったところで私が全体を把握して、それぞれにフィードバックをして、また皆で相談するという形で進めています。映像翻訳は締め切りが短いことが多く、じっくり作業時間を取れない分野なんです。学生は授業の合間に、宿題やバイトもしなきゃいけませんし、忙しいので、なかなか皆で集まって議論をすることが難しいです。そんな中で、各々が考えたものを出し合って、皆で見て、では次どうしようかと相談しながら進めています。


綾村:あいち国際女性映画祭で『ハラボジの家』(学生さんたちが字幕翻訳したものが「夏時間」という邦題で2021年2月より全国公開決定!)という長編作品を訳したとき、30名ほどで翻訳しました。三重野先生にパートを割り振っていただいて、まず先に自分の翻訳担当のところを翻訳して、先生の添削が入るんですが、添削が入った際に、他の学生の訳も全部見られるようなるので、他の学生が訳したのを見て、自分の翻訳した口調を他の学生に合わせるというところで、すり合わせています。


三重野:本当は、時間をたっぷりとって、皆で集まって、何度も話し合って、皆で決めて、じゃあ訳そうとできるといいんですが、現実的に難しいので、実は割り振りも早くできる子から順番に埋めてくという感じで決めています。本当は学生の希望通りのパートをやらせてあげたいという気持ちもあるんですが、学生によって作業できる日がバラバラですし、とりあえず早くできる人から順番にやってもらって、後から入る人たちですり合わせをやってもらいます。タイトなスケジュールの中、締め切りに間に合わせるためには作業スピードが求められます。プロでもないのにがんばってついてくる学生はすごいなぁと、いつも感心しています。


質問者4:先ほどプロのソフトを使用しているとのことですが、字幕出しのタイミングもお三方がコントロールされたんでしょうか?


三重野:授業中は学生がやるんですが、上映に関してはスケジュールの関係上、私が作業自体はやっております。翻訳する中で、こうしたい、こう変えたいという意見があれば、学生の意見を尊重して変更するようにしています。

<最後に一言>

西:あいち国際女性映画祭でも、今日の上映会でも感じたことですが、観客の皆さんと一緒にみると、前回のあいち国際女性映画祭での『ハラボジの家』は感動するような長編映画だったんですが、見ていた観客の方が涙していたり、笑ったりしているのが分かり、今日も、映像をみて笑ってくださったり、いい字幕だったとおっしゃってくださったりして、私たちが字幕を付けたからこそ、伝えられる感情だと思いました。それが本当にうれしいことだと思いますし、本当にいい経験になったなと思います。これを味わうのがいいなと思うので、これからも字幕翻訳に関わって行きたいと思っています。今日はありがとうございました。

舩戸:私も今回参加させていただき、初めて観客の皆さんの前でお話をする機会もいただけたわけですが、皆さんの反応を直接感じることができる、すごくいい機会をいただけて、字幕を訳すにはすごく難しい内容ではありましたが、一緒にやったメンバーともやっていて良かったなと感じましたし、社会人になって、あまり字幕に携わることができなくなっているんですが、また機会があれば、お声がけいただいて、参加させていただければいいなと思います。ありがとうございました。

綾村:自分のこれからについての話になってしまうと思うんですが、私は字幕翻訳同好会という有志が集まる同好会の代表を務めていますが、自分が翻訳して満足するだけじゃなくて、もっと広めていって、自分たちがいい作品のいい翻訳をして、それを後輩につなげて広めていく活動をしていけたらいいなと思っています。本日はありがとうございました。


三重野:私どものような映像翻訳者もそうですし、作り手さんも同じだと思うんですが、見てくださる方がいてこその作品です。観客の皆様のおかげでこうして翻訳をすることができました。本日はご覧いただき、本当にありがとうございました。

*写真提供:愛知淑徳大学

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愛知淑徳大学字幕制作チーム
本年は、字幕翻訳同好会の11名、太田結、尾関愛嘉、綾村凪紗、石川紗奈、白井南帆、伊藤萌梨、髙木万愉、服部伶衣、舩戸麻友子、西遙夏、瀬邊楓と、OGの中嶋萌乃が参加。「映像翻訳」の講義で学んだ知識と経験を活かして、韓国短編プログラム2「With you」の字幕翻訳を担当した。

三重野聖愛
フリーランスの映像翻訳者・会議通訳者。愛知淑徳大学非常勤講師。同大学で「映像翻訳」の講義を担当。字幕翻訳同好会の顧問も務める。韓国短編プログラム2「With you」で学生の字幕翻訳を監修。韓国映画『若者の光』『ワーニング その映画を観るな』、ドラマ「無法弁護士~最高のパートナー」「秘密の扉」などの字幕翻訳を手がけている。

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