花コリ2020では、韓国で2019年9月に開催された、韓国唯一の映画祭「インディ・アニフェスト2019」の上映作の中から受賞作を含め、厳選した優秀作を上映しています。
現地の映画祭では、上映後に監督が作品について語るGV(Guest Visit)が開かれ、毎回、質疑応答が頻繁に交わされます。
今回のレポでは現地のGVより、花コリ2020上映作品の質疑応答をピックアップしました。

2019.09.22インディ・アニフェスト映画祭一般コンペ部門3監督トークより
Q.『ミス・パク プロジェクト#1』では主に「鳥」のイメージが登場しますが、その意味が気になります。
A. 私は元々作品を作るとき、企画しないでテクニックに集中して始める方です。どんな形式で構造化するか悩んだ末に、また飛翔して飛び立つ点が、今まで隠されていた女性の姿と変わらないと思いました。それで「鳥」のイメージを挿入しました。

『ミス・パク プロジェクト#1』
Miss Park Project #1
ソ・ヨンジュ 서영주 / 2017 / 07:38
Paper, Drawing, Cut-Outs, Rotoscope, Collage, Decollage
韓国の近現代史を生き抜いてきた、女性たちへの献辞。
Q. 弾力のある台詞と、うまい演出で観客の視線を捕らえた『光』はどのような作品ですか?
A. 個人の固有なアイデンティティーを「光」で表現しようとした作品で、ヒジュは明るく鮮やかな光、ドヨンは特異に見えますが、実際には他の人と変わらない光、ジスは暗く、小さな光を示しています。
Q. 韓国語のタイトルは『光』ですが、英語のタイトルは『The Shadow』です。このように設定した意図は?
A.『光』は、抽象的な存在ですが、光があれば影もあると思っています。たとえばヒジュは明るく弾けて見えますが、愛情が欠乏していることもあり、ジスは消極的で受け身だけのようだが、タバコを吸うという逸脱した一面もあります。このように、各キャラクターが持つ二面性を強調したかったのです。

『光』
빛/The Shadow
キム・ヘジン 김혜진 / 2018 / 12:02 / 2D
高校の卒業式。当時はクラスメートと証明写真を交換することが流行していた。気まずい仲になってしまったヒジュ、ジス、ドヒョンの3人も、互いに写真を交換する。大人になったいま、写真を見ながら、それぞれが輝いていた瞬間を思い出す。
Q.『Mascot』は、誰かの話であるかのように見えますが、非常に多くのレイヤーが重なっているように思えます。監督の企画意図が知りたいです。
A. 大きく話すよりも周辺の友人の話を取り入れようと努力しました。私が感じる不満や現社会の問題点も告発したかったので。だからぼやけて曇った夜のイメージがたくさん思い浮かびました。その画像が伝えようとする主題とよく合うだろうと思ったからです。

『マスコット』
Mascot
キム・リハ 김리하 / 2019 / 06:50 / 3D
自治体のマスコットを目指すキツネは、マスコット専門学校に通う。彼は狭い部屋に暮らし、多くのアルバイトを掛け持ちする。借金をし、整形手術までして、それでもオーディションを受け続ける。
*『ミス・パク プロジェクト#1』『光』『マスコット』は花コリ2020韓国短編プログラム2で上映します。
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