4月12日から始まった、花開くコリア・アニメーションの親元、韓国のインディ・アニフェスト2021のアジアコンペティション部門の作品公募が6月23日(水)に締め切られ、47カ国で合計700編のアニメ―ション作品を受け付けました。
以下、映画祭告知ページより。
今年で17回を迎えたインディ・アニフェストは、2016年にアジアコンペティション部門を新設し、多様な姿を描いた、アジアの作品と出会いました。今年で六回目を迎えるアジアコンペティション部門「アジア路」は、昨年より約105編多い作品が出品されました。毎年応募が増えているという点は実に心強く、インディーズ・アニメーションの熱い関心を示しています。出品作品すべてに深い敬意をお伝えます。
私たちは、長期間続く新型コロナウィルスの事態で一寸先を見通すことができない不確実な環境と遭遇し、これまで以上に断絶されており、二極化されて分裂した社会に住んでいます。物理的にも精神的にも他者との境界が明確になった時点で、私たちは、様々な独立したアニメーションで、新しいつながりの可能性を垣間見ることができたにもかかわらず、今、私たちが手を合わせられなくても光は輝き続けると思います。インディ・アニフェストがアジアの多くの監督たちと出会い、お互いの話を聞いて癒される空間になることを願って、出品してくださったすべての方々に感謝いたします。
【インディ・アニフェスト2021アジアコンペティション部門審査評】
まず第一に、昨年から続くパンデミクという現状の中でも多くのアジア創作者の声を聞くことができた、本当に貴重な時間だったということを伝えたいと思います。いつもより困難な時期にも着実に創作活動を続けてきた皆さんの労苦に拍手を送ります。
他の国際映画祭で紹介されている、アジアの作品の数はそれほど多くありません。だからこそアジアン映画祭と呼ばれる場所は、聞き入れられなかった声、ぜひ聞いて欲しい声にマイクを向けることに、意味があると思います。審査員が集まり、最終的な議論を交わした時間の中心には、この考えがありました。
普段も作品の出品数が多かった東アジア圏、出品数が増加した東南アジア圏に加え、アゼルバイジャン、キプロス、エジプト、イラク、ヨルダン、カザフスタン、レバノン、パキスタン、オマーン、カタール、シリア、サウジアラビア、ウズベキスタン、イエメンにいたるまで、出品された作品を通じて、より豊かに、アジアの声を聞くことができました。これによりアジアのアニメーション映画祭という意味を反芻してみる時間となりました。
同様に、アニメーション化されたドキュメンタリーの作品が多く目立ちました。アニメーションの一般的な特徴を脱し、これまで聞くことができなかったアジア人の声をより力強く伝えるメディアとしての役割を正確に果たし、良い作品をたくさん見ることができました。
また、目立った点は、ジャンル的な試みをする作品が多く見られたことです。怪談、伝説、ホラー、クリエイチャー、水のような内容をアニメーションで表現し、ジャンル映画の特徴がさらに最大化されるのを見るのは楽しい発見でした。
それだけでなく、劇場という伝統的な上映環境に限定されていない新しいタイプの作品が多数出品されたのも印象的でした。今後、このような作品も包括していくことができる方法を考慮する課題を得る時間でもありました。
最後に、パンデミック中の自粛に関連したものや、環境と戦争の問題を扱う作品も多かったです。ただ今年の映画祭で紹介しきれない残念な気持ちをここでだけでもお伝えします。
これが終わりではありません。作品と一緒に前進できるように、最後まで進んでいけることを願います。私達に作品を見せてくださったすべての出品者の皆さんに感謝いたします。
– アジアコンペティション部門予選審査委員キム・スンヒ、ソン・シヒョン、イ・ギョンファを代表してキム・スンヒ書。
【インディ・アニフェスト2021アジアコンペティショ部門上映作品発表】
第17回インディ・アニフェスト公募を通じ、世界各国から合計700の作品が出品されました。困難な状況の中でも、昨年より多くの作品が出品された点で、インディーズのアニメーション作家の情熱をこれまで以上に熱く確認することができました。
予選審査を経て、アジアコンペティション部門に39作が選ばれました。選ばれた作品は、映画祭期間中9月9日(木)から14日(火)まで上映され、本選審査を経て、アジアの光(大賞)、アジア路賞、審査員特別賞、お祭りの星(観客賞)の合計4つの部門の受賞作が決定されます。
大切な作品を出品してくださった、すべての監督に再び心から感謝申し上げます。
★Indie-AniFest2021「アジアコンペティション部門」上映作品リスト★
『骨嚙み/A Bite of Bone』 矢野ほなみ / 日本
『A Mysterious Hat』 Yen-ting DU / 台湾
『Annah la Javanaise』 Fatimah Tobing RONY / インドネシア
『Bruise』 Ping-an HUANG / 台湾
『Coffin』 Yuanqing CAI、Nathan CRABOT、Houzhi HUANG、Mikolaj JANIW、Mandimby LEBON、ThéoTRAN NGOC / 中国、フランス
『Crab』 Shiva SADEGH ASADI / イラン
『Dayfly』 Baoxingchen YI / 中国
『Drawn from Memory』Pouria KAZEMI / イラン、イギリス
『Emsahar』 Hassan Al-JAHNI / カタール
『Extravagantly Ordinary Night』 Yu-an JAO / 台湾
『Fledge』 Hani DOMBE、Tom KOURIS / イスラエル
『Full Circle』 Su-Xian YEOW / シンガポール
『Grandps’s zoo』 Adam ZHANG / 中国
『How My Grandmother Became a Chair』 Nicolas FATTOUH / レバノン
『Kandittundu』 Adithi KRISHNADAS / インド
『Lal』GökalpGÖNEN/ トルコ
『Life’s a Bitch』 Varya YAKOVLEVA / ロシア
『Maternal Awakening』 岡田詩歌 / 日本
『Meow or Never』 Neeraja RAJ / インド、イギリス
『My Grandmother is an Egg』 Wu-ching CHANG / 台湾
『Night Bus』 Joe HSIEH / 台湾
『On Time Off Time』 岩崎宏俊 / 日本
『One Two Home』 Gili SHANI / イスラエル
『Orchestra Rehearsal』 Tatiana OKRUZHNOVA / ロシア
『Pet Fishes』 Oleon LIN / 中国
『ホッキョクグマすっごくひま / Polar Bear Bears Boredom』 山村浩二 / 日本
『Spinning』 Tzu-hsin YANG / 台湾
『Strange Occurrences:Bukit Bulabu』 Shi Teng WONG、Gloria YEO、Hana LEE / シンガポール
『Subject』 Renen ADAR、Neta ZAIDEL / イスラエル
『Takano Intersection』 Mizuki ITO / 日本
『The Deceased』 Keren OR ZELINGHER、Avishai SIMCHOVITCH / イスラエル
『THE FOURTH WALL』 Mahboobeh KALAEE / イラン
『The Goo』 Jonathan DEUTSCH / イスラエル
『The Name of the Plum Blossom』 Xiang-yu SHI / 中国、アメリカ
『The Scariest One』 Pavel NIKIFOROV / ロシア
『This is Only Getting Worse』 Eran LUZON、Michael NEGARI / イスラエル
『This One is Sweeter』 Li-yu LIU、Shu-yen WANG / 台湾
『We Were a Sterile Bomb』 Dotan MORENO / イスラエル
『White Snake』 Polina FYODOROVA / ロシア
★Indie-AniFest2021「アジア パノラマ部門」上映作品リスト★
『Canaria』 ゆはらかずき / 日本
『CYBER-EVE』 Katya MIKHEEVA / ロシア
『Ditch-Ivan Dorn』 Ruslana MIRZAALIEVA / ロシア
『Happiness』 Andrey ZHIDKOV / ロシア
『My Galactic Twin Galaction』 Sasha SVIRSKY / ロシア
『Naked』 Kirill KHACHATUROV / ロシア
『Return to the Peach Blossom Wonderland』 Haomin PENG, Yue HUANG, Yuchao LUO / 中国
『The Picture of Mountain and Sea』 Chaya SHEN / 台湾
『Watchmaker at Time’s End』 Shaheen SHERIFF / インド
『Replacements』 Jonathan HAGARD / 日本, フランス ※展示のみ
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