「ヒーローはいない」
히어로는 없다/Existing Hero
2014/20:22/イ・ホンス
テオは卓球大会で優勝してヒーローになる自分を思い描いていたが、重要な試合で逃げてしまう。いつしか平凡な暮らしに染まっていた彼は、ある日、自分が逃げた場所へと戻ろうと思い立つ。
Director's note
全てが思い通りになるように思えた20代を過ぎ、次第に惰性に流れていく過程を描きたかった。
「亀裂」
균열/CRACK
2014/7:15/アン・ヨンヘ
自殺防止センターの電話カウンセラー、ジスのもとに、1本の電話がかかって来る。通話中、緊急措置が必要だと判断した彼女が、外部に通報しようとしたその瞬間、相談者は自分の素性を明かす。
Director's note
誰が自分自身を許すことができるのか。
「Edward」
에드워드/ Edward
2014/8:54/ビョン・スヨン
エドワードは長い間、人目を避けて下水溝の中に住み、地上から落ちてくる物を集めて暮らしてきた。そんなある日、1人の少年が落ちてきたことから、エドワードの困惑の1日が始まる。
Director's note
「エドワード」はナラティブ・ストップモーション・アニメーションです。この作品は、主人公”エドワード”がアイデンティティーを探し求める過程の物語であり、この世に役に立たない人などいない、というテーマを込めました。
「口(くち)」
구口/ The Hole
2014/5:40/チェ・ボンス
四角い窓が一つだけある不思議な空間で、ちゃぶ台を挟み向かい合って座る男女。その間に怪物がいる。主人公の男はそこから逃げようと試みるが、いつも不可解な形で戻ってきてしまう。彼が戻るたびに、人間は1人ずつ消えていき、結局怪物と男だけが残る。そして怪物に食われる男。しかし我に返ってみると、怪物も消えている。舌なめずりをする男。誰が誰を食べたのかは分からない。
Director's note
タイトルの「口」は、口の他にも「脱出口」を意味する。ここでの口は、言葉を発しコミュニケーションを図るためのものではなく、相手を食うための暴力の道具だ。暴力の集約体として、巨大な怪物が登場する。主人公は怪物と暴力の空間から逃げようとあがくが、いつも不可解な形で戻ってきてしまう。結局怪物に食べられてしまったかのように見えるが、いつの間にか、怪物は主人公の口の中に入って消えている。誰が誰を食べたのだろうか? 本当は誰が怪物だったのだろうか? 人はしばしば自分が暴力の犠牲者だと思いたがる。しかし実は暴力の主体にもなりえる。そのことを、あいまいな悪夢のような世界を通して表現したかった。
「Checking Man」
체킹맨/ Checking Man
6:35/2014/イ・ウジン、チャン・ジウン、チェ・ジョンワン
臆病な性格で、何でも確認したい強迫観念にかられる男”ジャム”。そんな彼の一日。
Director's note
ささいなことで、本来の目的を忘れてはいけない。
「理解不能な悲しみ」
알 수 없는 슬픔이 있어/ Sorrow Unknown
2014/14:35/リュ・ムソン
住民の去った家が撤去され、町ごと廃墟と化した再開発地域に住むミョンヒ。何日も学校に来ない彼女を心配した担任の先生に頼まれ、隣町のシネが訪ねてくる。そこで、撤去の騒音に苦しむミョンヒの姿を見たシネ。残された人々は、もはや人間扱いすらされないのだろうか。
Director's note
1987年、中学生だった私は、壁一枚隔てた先の、友達が暮らす貧民街の地区が撤去される光景を見ました。その時感じた不安感が、今の私の性格にも影響を及ぼしているようです。この作品は「今、再開発の渦中で暮らす子どもたちも、幼いころの私のように苦しんでいないだろうか?」という疑問から始まりました。
「Follow Me」
팔로우미/ Follow Me
2014/10:00/クォン・ジミン
別れた恋人を忘れられないカメラマンは、心の整理がつかないまま海外へ発つことに。スタジオを片付け、彼女のとの思い出も忘れようとするが、結局忘れることができない。彼を心配したスタジオの写真の中の人々は、神秘的な力によってフレームの外へと飛び出し、街の看板の写真の間を飛び回る。彼らに導かれ、カメラマンは昔の恋人に再会する。
Director's note
別れた恋人が再会するというありふれた物語を、新鮮かつユニークなかたちで表現しようと思った。
「椅子の上の男」
의자 위의 남자/ Man on the Chair
2014/6:55/チョン・ダヒ
“椅子の上の男”は、自分自身の存在について真剣に悩んでいる。ただ、私が描いたイメージに過ぎないのに…。私も誰かに描かれたイメージではないのだろうか…?
Director's note
動物や植物は、生まれたままの姿(あるいは存在そのもの)として生きて死ぬのに、人間だけが自身の存在を疑っているのではないかと思った。もしかしたら、それすらも誰かに計画されているのかもしれない。存在についての終わりなき問いを、私の絵と私との関係を通して語りたかった。
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